夜の魚

皆、底に沈む襤褸(ぼろ)、
躯(むくろ)は小さく突つかれて
口々に朽ちてゆく

誰も居ない夜(よ)、
小魚どもは宙(そら)に昇って
銀魚になった―

美しい夜の夢、
優しい誰かの
伽噺(とぎばなし)


TOP
inserted by FC2 system