White Cloud Dazzling *1
マグネシウムの閃光と
Cello の緩やかなる香りが、今
俺の端(はな)先、出逢った―
時代は、大きく
其の直径を地球に周囲(まわ)し、
廻る歯車、己の往く末に巨きな脚(あし)を踏み鳴らす
此の地上に垂れ込める「細部」と云う周辺は、
熔けだす軟体に溢れ、堕ちる
何人(なんぴと)も怒(いか)らず
何事も熾(おこ)らぬ時代に在っては、
既に、何者も抑圧しない
寡黙な攻勢へと、凡て
転じて居る
其の新たなる侵攻は「非激」と云う惨劇を
―そして信仰の喜劇を生む
無疑( MU-Gi )、
そして平穏なる時代を
緩やかに逸れたる此の南北に延びる孤島よ
お前の五十年、先の姿を知って居るか
雲のように消えてしまった子ども等の
野に駈ける、声と姿を―
お前は覚えて居るか
水辺は大きく代わってしまった
碧(みどり)は大きく、
其の色を代えた
牛も魚も豚も無く、犬や猫―
鳥や虫さえ消えてしまった
唯、ヒトだけの世界
共喰いの、
白熱炎獄遊戯―
俺は、
落日真際(まぎわ)、北の空
雲の白さに目眩んだ
†
地上には、工業化された光合成
休み無く紅いランプを浴びせられる規格品の植物
ライト・ユニットが空の代わりに(、そして箱詰めされた
大地から抜かれる事の無くなった同居人、等の無言)
早速、ヒトの喰べる生命の数は少なく、
共に暮らす生物は皆居なくなった
其のシンプル―
手厚い管理の下、手入れもされず
荒れ果てたアスファルトの餓え、
ごりごりの路面にヒトが躓く
路肩の花よ
其の一輪に眩暈する
俺は魂の脱殻
だがヒトは―
未だ生きてるだろうよ
素朴に寄り添い営むだろうよ
荒れた大地の理由も知らず、
誰かを怨む
虚しさも厭わず
堕カラ、
何かが三遍廻ったら花を植えよう
―ほらチュゥリップだ
―宙に雲
その色はなに
*1) White Cloud Dazzling = 白い雲の眩惑